2021年3月20-21日、北海道北斗市でHAKODATE HOKUTO FOOTBALL CLINIC vol.1を開催し、メインコーチを務めました。
小学1年生から6年生までを対象に多くの選手に参加いただきました。
動画は記事最下部
目次
教育実習で出逢った教え子との再開。クリニック実施に向けての準備
OSO SFLとして本格始動した2021年。事業の本丸として取り組もうと思っていたのが「函館・北斗で継続的にフットボールイベントを行うこと」でした。
2019年にラ・リーガ1部のレバンテU.D.のカンテラ監督を招聘して、フットボールキャンプを開催しましたが、コロナウイルスの影響で再び開催することが困難になりました。
ただ、子どもたちの成長は待ってくれません。そして、実行しなければ何も始まらないので、ある方に相談しました。その方とは北斗市にある「北斗スポーツNOSS」でフットボールを担当している岩谷コーチ。実は岩谷コーチは、OSO SFL代表・隈崎が教育実習で母校に戻った時にいた生徒でした。※北斗市は函館市の隣りにある市。北海道新幹線が止まる新函館北斗駅があります。
相談したところクリニック開催に快諾いただき、実施に向けて何度も打ち合わせを行いました。北斗スポースNOSSの事務局の方にも柔軟にご対応いただき、本当に感謝しております。
今年は函館・北斗もまあまあの積雪があり、今回は体育館での開催となりました。「秋までグラウンド、冬から体育館」が北海道スタイルなので、私自身、懐かしさを感じながら準備に当たりました。
元気で人懐っこくて純朴な子どもたち!
クリニック初日、はじめは小学1、2年生の部からスタート。岩谷コーチから紹介されて挨拶すると、すぐさま子どもたちが話しかけてきます。
この距離感がとても大好きで、函館や北斗の子どもたちの特徴だと思っています。本当に人懐っこくて純朴なんです。親戚の家に遊びに行った時、ときどき「函館の人って真面目で優しいからさ〜」と話題に出ることがあります。ゆったりした環境で子どもが伸びのび育つことで、そんな人柄になるのかなと思っています。
また、高校の先生たちとお話する機会がありました。そこでは「函館や北斗ではフィジカルが優れている選手がたくさんいる」と。これもきっと環境が大きく影響していると思います。これは私が10年以上前から感じていること。先生たちも同じように思っているので、これは間違いない事実でしょう。
後は、フットボールに対する理解を深め、新しい刺激を享受する機会を幼い時から継続的に提供することで、子どもたちはより多くの可能性を見出だせるはず。
子どもたちと接するなかで、「もっと良い指導をして、子どもたちの能力を高めていきたい」と強く感じました。
慣れないトレーニングでも、徐々に理解していく選手たち
あえて慣れない(やったことのない)トレーニングを実施した理由
トレーニングの目的は、全学年共通して「試合の局面で発生・消滅するスペースを見つける」こと。チームでボールを保持して有利な状況を作り、フィニッシュのシチュエーションに持ち込むために必要な「見る」ことに焦点を当てました。
事前のリサーチから、準備したオーガナイズだとトレーニングが「止まる」だろうと予測していました。ただ、それでもいいと割り切って指導に挑みました。
そつないトレーニングをすることも可能でした。周りから見れば、選手が動きを止めずにプレーしている方が「良い」と思う場合もあります。それでもあえて、私は選手が頭を悩ます場面ができるトレーニングをオーガナイズしました。
なぜかというと、よく言われる「考えてプレーする」の「考える」作業を当クリニックで体感してほしかったからです。そのためにトレーニングでは考えるための「材料」を何度も確認しました。
材料とはフットボールで言えばボール・ゴール・味方・相手・スペースを主に指します。選手はそれぞれの材料がどこにあってどんな状況なのかを確認し、考え、プレーします。これはプロフェッショナルの選手でも難しく、エラーが起こります。
この考える材料が見えてくると、フットボールがチームスポーツで、個人ではできない素晴らしいプレーが理解できてきます。
では、こういったトレーニングはいつから始めればよいのか。それは小学生から行うべきだと考えています。海外では同年代の選手がクラブや遊びのなかで学んでいます。オーガナイズの工夫で、小学生でも十分にトレーニングが可能です。
トレーニングに慣れて理解しはじめた選手たち
トレーニング開始時は、慣れない内容に戸惑う選手がいました。それでも根気強く続けるけることで、選手たちは徐々に理解し素晴らしいプレーがいくつも生まれました。
ゲームでは「おっ!」と唸るナイスプレーがいくつも出て、教えている方も嬉しかったです。その変化は一瞥しただけでもわかり、トレーニング終了後「教えたことを忘れないでくれ〜」と強く思ってしまいました。
選手の様子がこのように変化するほど、嬉しいことはありません。
一生懸命トレーニングに打ち込んでくれた選手は、本当に素晴らしかったです。
大切なのは継続すること。月1回ペースでの開催に向けて準備
あっという間の二日間でした。
子どもたちからは「楽しかった〜!」と言ってもらい安堵しました。何人かの保護者の方からは「またやってほしいです」とお言葉をいただき、これまた嬉しかったです。
本当に継続して行っていくことが大切だと思っています。お力添えいただいた北斗スポーツNOSS様とともに、今後は月1回のペースで開催していく予定です。
子どもたちの人生のなかでは、一時の出来事に過ぎないかもしれません。しかし、その一時によって子どもたちがフットボールをはじめ、豊かな生活が送れるよう、これからもOSO SFLは函館・北斗での活動を続けていきます!