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Blog | 色々なことに気づいていても言わない、引き算のコーチング

最近はありがたいことにパーソナルトレーニングの申し込みが続いている。特にフットボールをはじめたばかりの小学1年生。

この年代はもっぱらフットボールの楽しさを感じてもらう時期。「楽しいからうまくなりたい」の順序を指導者は遵守しなくてはならない。

それでもたくさん見えてしまう「教えたい事」。楽しいをベースに、選手が「フットボールを教わっている」と感じないよう、厳選したポイントをテンションを変えずに伝える。もしかしたらこの年代の指導が、一番難しいのかもしれない。

トレーニングの始まりも終わりも「楽しかった」で終わらせる

フットボールが楽しいのは、何度も何年もプレーしている人だからわかること。フットボールをはじめたばかりの子どもは、「楽しいなにか」を求めに指導者に近寄ってくる。このスタンスがずっと大切だと思っている。フットボール色にどっぷり使った人間と、真っ白なキャンバスの子どもでは、世界観が異なる。

なのでトレーニング(という言葉はこの文章ではもはや違和感だけど、便宜上このまま使用)で気をつけることは、終始子どもが楽しい時間を過ごせていたか。そのうえでフットボールに近づくための部分的な事を学び取ってくれたか。こう順序立てている。

トレーニングの全てのセッションで、子どもが満面の笑みでいてくくれば120点。

だが、なかなかそうならないので、始まりと終わりで「あー楽しかった!」となってくくれば及第点と、自分のなかで線引をしている。

後日、保護者の方から「家の中でもボール蹴ってますよ」とか「楽しかったようで、帰ったら爆睡していました」など話を聞くと、指導者としては心のなかでガッツポーツである。

トレーニングテーマだけに集中。それ以外は放っておく

「一を聞いて十を知る」と諺にあるが、それはやっている子ども側の話。教える側は「一を教えて一に留める」だ。

ラダーをやれば思い切り蹴飛ばすし、ボールを蹴れば明後日の方向。大いに結構だ、楽しければ良し。好奇心旺盛の子どもに、細かな指導を挟むのは、もはや制動。

瞬間湯沸かし器のように変化する子どもの感情。「今だ!」というタイミングで声がけし、こっちに集中を向けさせる。できるだけ短く簡素に説明して、すぐにトレーニングに移れるように工夫する。このタイミングにはすごい集中が必要。

フリーズさせてしっかりと教えることは、たった一つのテーマだけ。例えばインサイドパスだったら、それに関しては時間をある程度取って教える。でもそれ以外で「教えたい!」ということがあってもグッと耐えて「次回、次回」と自分を宥める。

フットボールは全てが繋がって複合的になっているので、一回のトレーニングで全てを教えなくても大丈夫。徐々にゆっくりと。成長のスピードは、子どもの自主性が成熟するに伴って加速していく。

なので、ボールが股をトンネルしたって、手でボールを触ったっていい、いいんだ。放っておこう。

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小さいことは気にするな、プレー、プレー、そしてプレーだ

そして最後はゲームでたくさんプレーをさせる。たくさんのゴール、たくさんの失点。喜びと悔しさを満遍なく味合わせる。ピッチの大きさ、ルールなんて大きな問題ではない。とにかくプレーをさせること。

口論もプレーの一つ。指導者が言葉をコントロールしながらコミュニケーションを取っていく。「口答え」は大人の反則技。しっかりと受け止める。

そして最後に「また、やろうね!」といってさよならできたら、楽しさのお裾分けの成功だ。

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