OSO SFL

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同郷・道南から次世代の挑戦者をサポートできる喜び

今年の3月22日から4月1日、日本の小学生年代の選手をスペイン遠征に連れて行く。

そのメンバーの中に道南の選手も参加する。OSO SFLが毎月開催している「北斗|函館フットボールクリニック」に参加してくれている選手で、会うたびにフットボールに対する姿勢が変わり、保護者から送っていただくプレー動画を見ても、一年前、二年前と比べると素晴らしい成長をしている。

私が月に一回東京から故郷である道南に足を運び指導をしているのは、良質で体系的なトレーニングから道南の選手に継続的にフットボールを学んでほしいのと、地域や保護者と一緒に「意識と行動、環境の変化で人は社会の枠組みを飛び越えて成長できる」ことを伝えたいからだ。

かくいう私が自らこうしたいと考え行動するようになったのが、大学進学時。より強い意思で決断し行動できるようになったのが大学4年時だった。

今振り返れば二つの気持ちがある。

一つは、「よくそのタイミングで南米に単独で行けたなあ。あの時の経験が今につながっているんだな」という、その経験があるから今の自分があるという誇り。

もう一つは、「もっと幼い時に自分で決断して、より早くこの経験を積んでいたら、もっといろいろな景色が見られて、もっといろいろな人と出会えたかもしれない」という、感情。

現在はインターネットの普及でそういった外の情報が手元で得られる世の中になった。

ただ、何かを達成するには自ら行動して本物を経験しないと得られないのは、どの時代でも変わらない。日本のトップレベルの選手が海外リーグに挑戦するのが、紛れもない証明だ。

だから私は、「いつかは道南の選手に、できれば小学生年代で世界のフットボールを体感してほしい。その経験を持ち帰った後、同郷でどう過ごすのか、何を思って生活をしていくのかを見せてほしい」と思っていた。まさかこんなに早く実現できるなんて思いもしなかった。足掛け五年でやりたいことが叶ってとても嬉しく、ご理解いただいたご両親には深く感謝している。

意思と行動力の感化、環境のサポートを

3月11日、FC東京の北原槙選手が15歳7ヶ月22日でJ1最年少デビュー記録を更新した。学年にすると中学3年生だ。

このキャリアを「早熟」と片付けてしまえばそれで終わりかもしれない。
一方で、選手本人の意識と行動力、サポートする環境が整えば、15歳でプロフェッショナルの世界に足をいれることは、積み重ねの結果ともいえる。

表面的に日本では小・中・高・大と学問のコースがあり、18歳で成人になり、22歳で4年生大学を卒業して就職、社会人に……という流れで世間的には「いち社会人」であると見られることが多いだろう。

早い年齢でスポットライトが当たるステージで活躍することが良い、一般的な進路を経るのが悪い、ということでは決してないのを前提に、なぜ北原槙選手のような選手が生まれたかを想像することが、同じフットボール選手になりたい子どもにとって大切だ。

時代によってアップデートする利便性の恩恵をうまく活用しながら、自分がなりたい・成し遂げたい理想を強く思い描き、意識と行動力で、どの地域でも挑戦できる選手を継続的にサポートしていきたいと思う。